深夜2時のLINEって、ふつうは無視するんだよね。
でもなんか、その夜だけは違った。
靴履いてた。気づいたら。
そもそものはじまり
けんとマッチしたのは3日前のBumble。
プロフィール写真が恵比寿のバーっぽいところで撮ったやつで、なんかおしゃれぶってる感じじゃなくて、ふつうに楽しそうにしてる顔が好きだった。
(こういう人、リアルでも楽しい人が多い、という経験則がわたしにはある)
メッセージのやりとりも軽くて、重くなくて。「今度恵比寿でご飯行きましょ」くらいの温度感のまま3日が過ぎてたんだよね。
だから深夜2時に「今から会える?恵比寿いるんだけど」って来たとき、正直ちょっと笑った。
なにこの人、って。でも嫌じゃなかった。むしろなんか、おもしろいじゃんって思ってた。
行くか行かないか、5分くらい悩んだ
ベッドの中でスマホ握って、天井見てた。
(深夜2時に会いに行く女になっていいのか)
(でもどうせ寝れないし)
(恵比寿近いし)
言い訳を自分で並べてる時点で、もう行く気になってたんだよね、たぶん。
「行けるよ」って送ったら、既読が0.5秒でついた。
(この人、絶対スマホ握って待ってたじゃん)
それがなんかかわいくて、少し気持ちが動いた。
恵比寿で会った、深夜2時すぎ
待ち合わせはガーデンプレイス近くのコンビニ前。
夜風がちょっと冷たくて、でも歩いてきたから体はあったかくて、そのアンバランスな感じがなんか好きだった。
けんは思ったより背が高くて、フーディーにデニムっていう、全然気合い入れてない格好なのになぜか様になってて。
「来てくれると思わなかった」って最初に言われて。
(わたしも来ると思ってなかったよ)って心の中で返しながら、「なんか眠れなかっただけだよ」って言ったら笑ってた。
そのまま近くのバーに入って、カウンターに並んで座った。
お客さんほとんどいなくて、バーテンダーの人がグラス磨いてるだけの、静かな空間。
お酒の匂いと、木のカウンターの感触と、けんの声のトーンが、なんか全部ちょうどよくて。
「なんでわたしに送ったの」って聞いたら、「なんとなく、会えそうな気がした」って。
(なんとなくで深夜2時に連絡してくるんだ、この人)って思いながら、でもそのくらい軽い感じがわたしには合ってた。
何かが変わった瞬間
2杯目のワインを飲んでたあたり。
会話が途切れて、ふと沈黙になって。
でもその沈黙が全然気まずくなくて、むしろ心地よくて、あ、これやばいかもって思った。
(気まずくない沈黙って、ほんとに数える程しかない)
(なんでこんなに落ち着くんだろうとか思って)
けんがふとこっちを見て、「寒くない?」って聞いてきた。
寒くなかったけど、「ちょっとだけ」って言ったら、肩のあたりに手が触れた。
その手の置き方が、強くもなくて、でも迷ってもなくて。
なんかそこで、今夜の行き先がなんとなく見えた気がした。
翌朝のこと
明け方、窓の外が少しだけ明るくなってた。
恵比寿の街って、早朝だとほんとに静かで。
なんかぼんやりしながら、深夜2時に靴履いた自分のことを思い出してた。
あのとき行ってよかったとか、どうだったとか、そういう結論はまだ出てなくて。
ただ、後悔はしてなかった。
(それだけでじゅうぶんな夜もある)
けんとのその後とか、もうちょっと踏み込んだ話は、MyFansのほうに書いてます。
深夜2時の話の、つづきが気になる人はそっちで。

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